手が止まる前に失敗の話をしよう
失敗を過度に避けて手が止まっている人を見ることがあります。そんな人と一緒に活動すると、私は「いいから早くやってくれ」と思うことがあります。そして、私は毎回同じような話を説明しています。ここでは、私の説明を改めて記事にしておきます。
そもそも「失敗とは何か」の話から整理を始めます。毎回説明する時間や余裕があるわけではないので、今後、時間がない時はこの記事を渡そうと思います。
「失敗」を一括りにするな
まず最初に言いたいことは、失敗を一括りにするな、ということです。
失敗を怖がって手が止まっている人の多くの人は、失敗を一括りにして捉えすぎです。失敗と言ってもいろんな失敗があります。何でもかんでも「失敗」という言葉でまとめると判断がおかしくなります。世の中には、どうしようもない失敗から、大したことない失敗まで、いろんな失敗があります。
大したことない失敗を避けるために、重厚で安心安全の手順を踏んでいくことを考えられると困ります。あなたは何を避けようとしているのでしょうか。
ちなみに、私自身も似たような経験がありますし、失敗したくないという想いから手が止まっていくことはよくある話です。あなただけではありません。
取り返しのつく失敗・つかない失敗
世の中には、取り返しのつく失敗・つかない失敗の二つがあります。
例えば、取り返しのつかない失敗は以下のようなものです。これは本当にまずい失敗です。
- セキュリティ事故(漏らすべきではない情報を漏洩してしまった、など)
- 大量のお金の損失(お金を払ったけど欲しかったものが手に入らなかった、など)
- 貴重な機会を逃す(準備が遅くて間に合わない、など)
これらの共通点は、元に戻せないことです。失敗が起きた時には時すでに遅し、これが発生しないような工夫が求められます。
一方で次のような話は取り返しのつく失敗です。たいしたことありません。
- 無駄な文書を作った、無駄な作業をした(時間が無駄になった)
- ファイルを誤って更新してしまった(ただし、バージョン管理されており戻せる)
- 隠す必要はないが、共有する必要もない情報を共有した(不要だと言われた、など)
このような失敗は失敗しても技術や経験が残ります。そして、それを元に次の機会を作ったり、またやり直したりできます。
「失敗が発生するかどうか」以上に「失敗による損失が許容範囲なのか」が重要です。
行動しないことによる損失
さらにいうと、迷ってばかりいて何も行動しない人もいます。そういう人は「失敗を避けるために行動しない」と考えているように見えます。しかし、あなたが避けているのは、失敗ではありません。恥です。
何も行動しなければ、わかりやすい失敗はしません。恥ずかしい思いをすることもありません。でも、それをどれだけ繰り返しても前に進むことはありません。
他にも議論ばかりしていて、全然実行に移そうとしない人もいます。小さなことでも実行に移してみれば、結果がどうあれ技術や経験が蓄積していきます。しかし、同じようなことを話すばかりでは何も残りません。
そうすると、同じ場所をぐるぐる回って時間だけがなくなっていきます。時間が過ぎていけば、歳をとりますし、技術も劣化していきます。技術は使わなければ錆びついていきます。
まとめ
まとめると、失敗を避けることより前に進むことを考えてほしいです。
そして、前に進むことを考え始めて、初めて安全策や対策、予防の議論に進みます。
その議論になれば、また別で話ができるようになります。
ひとまず、私からは以上です。