1年目のデザイナーが実務で学んだ質問の仕方
今回の記事は、当時デザイナー1年目だった私・市村がHeritageArrowでのデザイン実務を通して、「質問の仕方」を学んだ実体験をご紹介します。
私のような駆け出しのデザイナーやエンジニアの方、また、他の職種についても通ずる内容なので、ぜひ読んでいただけたらと思います!
社内用業務ツールデザイン時の出来事
当時HeritageArrowでは、社内用業務ツールを作るプロジェクトが動いていました。私は、予め代表の的場が書いた要求仕様をもとに、画面デザイン案を制作することになりました。
しかし、ここで受け取った要求仕様のほとんどが専門用語(Cloudflare Pages、メタ情報etc…)だったため、何を言っているのか全くわかりませんでした…!
的場の「技術的な質問は口頭で回答しても、しばらくして同じ話が繰り返される状況が発生しやすい」「五月雨式に質問が飛んでくるのも回答の負担が大きい」という話もあり、分からないことは質問票にしてまとめて質問する、という流れになりました。
質問には「お作法」が存在した
無自覚でやっていた、避けたほうがいい質問
要求仕様など、仕事として認識や前提のすり合わせをする場合、「丸投げ質問」は避けたほうがいいことを代表の的場から教わりました。回答者の負担が大きいからです。
それまでの私を振り返ると、「これなんですか?どういう意味ですか?」と反射的に質問をしていたと思います。そもそも、質問に”種類”のようなものがあるなんて、思ってもみませんでした。ただ、考えてみると、「専門用語20個、全部教えてください!」と言われたら、相手も困ってしまうのは想像できます。
専門用語を理解するためには前提知識が必要になります。しかし、それを相手がどれだけしっているかわかりません。相手の理解度や知識を考慮せずに答えると、聞いた側が理解できず同じ説明を繰り返さなければならない状況に陥ることもあります。
ここでは回答者の負担を減らしつつ、仕事を前に進める質問の仕方を紹介します。
「仕事を前に進める質問」の仕方とは
では、今回のように前提のすり合わせをしたい場合、どのような聞き方をするとスムーズなのでしょうか?次の2つのポイントを見ていきましょう。
- 「〇〇は△△という理解であっていますか?」
- クローズドクエスチョンであること
まず1の「〇〇は△△という理解であっていますか?」という聞き方は、自分自身の認識をアウトプットして、それであっているかどうかを相手に判断してもらう聞き方です。
例えば、「Heritageは遺産という意味であってますか?」という聞き方で、「Heritageはどういう意味ですか?」という聞き方ではない、と言うことです。
2つ目の「クローズドクエスチョンであること」は、実は1つ目と同じ意味です。
クローズドクエスチョンとは、Yes/Noで答えられる質問のことです。先程の例「Heritageは遺産という意味であっていますか」にはYes/Noで回答ができます。
一方で「Heritageはどういう意味ですか?」という意見を聞く質問方法は、オープンクエスチョンと呼ばれています。
オープンクエスチョンにも役立つ場面があり、ブレストや振り返り、ワークショップといった想像性や多角的な視点が必要な場面では、オープンな質問のほうが良い議論ができたりします。
なのでどちらが良い・悪いと判断できるものではありません。しかし、今回の「専門用語の意味を確認する」という文脈では、クローズドクエスチョンのほうが回答側が端的に答えられるため、仕事を前に進めやすくなります。
質問方法の仕方を意識するようになって思うこと
今回はYes/Noで回答するクローズドクエスチョンに重きを置いてお話しました。
この質問方法を学んでから、他の仕事においても役立っていると感じています。
特に私の場合は非同期での仕事がほとんどのため、チャットやテキストでのコミュニケーションが基本となります。
やり取りの履歴を残し情報の信憑性を担保したり、要件のすり合わせをするときは自分からまず「この理解であっていますか?」と確認を取ってから進める癖が付いてきました。
そのおかげで、大きな手戻りや「思っていたのと違った」と言われるケースがそこまで無く仕事を進められています。
まとめ
私自身まだまだ、状況に応じた適切な質問ができるわけではないので、今後も質問する機会を使って磨いていけたらと思っています!
質問の仕方を間違えると、欲しい回答が得られない可能性もあるので、「質問力」は自分自身のためにも身に付けておいたほうが良いスキルだと思っています!これから「質問力」を育てていきたい方、一緒に頑張りましょう^^