言える化ツール「SOUNDカード」から、次の方向性を決めた話
デザイナーの市村です。HeritageArrowでは、SOUNDカードというツールを使って各自の目標や役割を相談してきました。SOUNDカードは、オーセンティックワークス社が発行しているコミュニケーションツールです。
詳細は公式サイトをご参照ください。
今回の記事では、デザイナー市村の体験談を中心に、SOUNDカードセッションのイメージをご紹介します。
HeritageArrowでのSOUNDカード実践例
HeritageArrowでは次のようなタイミングでSOUNDカードを使っています。
- プロジェクトや何らかの目標の節目
- 活動に関心のある方と出会ったタイミング
- 方針や方向性が変わった時期
- その他、モヤモヤがあった場合、やってみたら面白いかもしれないとき
当時のHeritageArrowの状況は次のとおりです。
- 組織的には、ホームページを更新したいが手が回ってない状況
- バックエンドエンジニアとして活動している方がHeritageArrowの活動に関心をもっている
- 市村はWebデザインからUI/UXデザインに関心が移りはじめている
私の話をすると、当時はWebデザイナーを名乗っていましたが、ゆくゆくはUI/UXデザイナーにシフトチェンジしたいと思うようになり、UI/UXの学習を始めたタイミングでした。
このような状況の中で、代表の的場・エンジニア・デザイナー市村の3名でSOUNDカードを実施しました。
STEP0:Agenda
SOUNDカードは、ステップに合わせた質問が記載されたカードを選び、それぞれの意見を話し合いながら進めていきます。
まずは議題を決めるところからスタートします。
当時、代表の的場からは仮に3名で活動ができた場合、どんな役立つ成果物を作ることができるかを話し合いたい、と議題の方向性が示されていました。
それぞれが意見を出し合い、この回では「次に目指す成果物とその課題」を議題とすることが決まりました。
STEP1:Status
続いては決定した議題を取り巻く状況について意見を出し合います。
当時私は、「各自の想いを知ることができれば、コミュニケーションが取りやすくなるのでは?」という意見を伝えました。
私自身の状況は、アプリデザインの仕事に取り組んだことがきっかけで、UI/UXの勉強を開始したり、他にも海外やアクセシビリティにも関心があることを共有しました。
他のメンバーは活動を未来につなげたい、やりたいことがだくさんある、などの状況にあることが分かりました。
他に、メンバー間の共通点も見つかったりと、コミュニケーションを通じて場の雰囲気がほぐれたようにも感じました。
STEP2:Outcome
議題を通して、どんな未来を描きたいかを話し合います。
私がここで伝えたことの1つは、「プロジェクトを通して、お互いを知ることができたり、切磋琢磨する関係性を築けたら嬉しい」ということでした。
全員で議論した結果、今後の方向性を「便利なモノ・技術・機会をみんなが使えるような、未来に向けた活動の可能性」と定めることになりました。
STEP3:Understand
次は定めた未来像の実現を妨げる点を話し合うステップです。
妨げになる要因として挙がったのは次のような点です。
- デザイナーとエンジニア、マネジメントの仕事に相互理解がないと進め方に摩擦が出る
- 状況が変化しやすく活動見直しのタイミングが多いので、この活動の目的や目標を明確にしてから進めたい
- プライベートの状況によっては活動の継続が難しくなる懸念がある
上記の通り、各自切り口が違う意見がでて、それぞれに考慮すべき点がでてきました。
SOUNDカードを使ったからこそ、このような幅広い議論を実現できたと感じました。
このUnderstandセクションでの議論を通して、「各自が経験したいトピックに対応するHeritageArrowの課題を解き、事業を前に進める」という注目すべき方向性が見えてきました。
STEP4:Negative Check
次はNegativeCheckです。各自の不安や懸念点を共有しました。
例えば、予算とスケジュール、エンジニアとデザイナーを横断するコミュニケーション、成果物の社会的なニーズが挙がりました。
私の場合、デザインを納品して終わりという仕事の形式が多かったので、実際に実装する方と並行してプロジェクトに参画する経験はありませんでした。
なので、エンジニアとデザイナー間のコミュニケーションは大変興味深く、実際この後にたくさん学ばせてもらうことになりました。
STEP5:Drive
最終ステップのDriveでは、これまでの議論を踏まえて具体的にどのように行動していくかをチーム内で合意形成し、実行に移せるようにします。
具体的な各自の役割分担や体制が決まり、その中でコミュニケーション方法や次のアクションが明確になっていきました。
私の場合は、自身が懸念に上げた成果物の市場ニーズの調査からスタートすることになりました。
私にとって、3名でのSOUNDカードは初めてだったので、「最終的に意見がまとまるのだろうか」と心配していた節もありましたが、各自次のアクションも決まってSOUNDカードを終えることができました。
SOUNDカード後の流れ
最後に、SOUNDカード後にどのような活動や変化があったかを簡単にまとめます。
その後の定例ミーティングで具体的な内容を詰めていき、結果的にHP更新アプリ改め、Webサイト更新ツールをデザインする方向が決まりました。
エンジニアの方も、自身が磨きたいスキルとHeritageArrowの事業活動の中でやりたいこととの役割分担ができたので、HeritageArrowへの参画が正式に決まりました。
SOUNDカードでお互いの状況ややりたいことをチーム内で共有していたからこそ、各自納得する形で次に進むことができたのだと思います。
今回の記事では、代表が決めたテーマに対して人を探すのではなく、集まった人で話し合ってテーマを決定するという、ユニークな企業文化をご紹介しました。
チームでの活動の様子が、少しでも伝わっていると嬉しいです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
代表(的場)のコメント
記事の執筆ありがとうございます。「なんとなく一緒に活動できる気がするけど、どんな方向になると面白いかわからない」といった状況で、集まってSOUNDカードを実施すると、改めて未来に向けた活動の検討が進んで、具体的な活動や方向性に落とし込めるのでいいですよね。HeritageArrowの活動の中で欠かせないツールになっていると思ってます。